体外衝撃波治療は1980年代のドイツにおいて、尿路結石の破砕療法として開発されました。その後、衝撃波の持つ物理的特性が様々な生物学的効果を引き出すとされ、1980年代後半からは整形外科領域での臨床応用が進みました。現在では運動器疾患に対する多様な物理療法の中で、唯一豊富なエビデンスを持つ治療法として注目され、世界的に普及してきています。 本邦においては2008年に医療機器としての承認が下り、2012年より「難治性足底腱膜炎」に対する保険診療が可能となりました。また、国際衝撃波治療学会では、腱付着部症、腱炎、疲労骨折、偽関節、骨折・創の遷延治癒といった様々な疾患に広く適応されており、多くの臨床研究の成果が報告されています。今後、様々な運動器疾患に対する臨床応用が行われるものと考えています。 |
本会は、本邦における整形外科領域での体外衝撃波治療の発展を目的として、基礎研究に長年携わってこられた先生方や、継続的な臨床研究をされてきた先生方が中心となり、2016年に設立されました。学術集会やセミナーを通して、国内での正しい情報の発信と活用法の提供といった啓蒙・教育活動を広く行っております。今後も運動器に対する体外衝撃波治療が正しく広く認知され、最大の効果を生む治療法として発展していくことを願っております。
医師のみでなく、理学療法士、作業療法士、アスレチックトレーナー、柔道整復師、鍼灸師など幅広くセラピストの方々の知識を集めて議論し、運動器治療の発展の為に活動して参りますので、引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。
日本運動器SHOCK WAVE研究会 代表世話人
(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)
熊井 司